羊の森の由来

はじめまして。心理カウンセリング さっぽろ羊の森のセラピストの森本です。

まちの心理専門職による小さなカウンセリングルームを2025年8月5日より開設いたしました。カウンセリングを活用することへの心理的なハードルを下げたい、有資格者によるカウンセリングを求める方が受けられる窓口を増やしたい、そんな思いから、27年の公務員心理職生活にピリオドを打ち、カウンセリングルームを開業することにいたしました。来談された方ひとりひとりが「今」をよりよく生きられるように、微力ではございますがお役にたちたいと思っています。

さて、開業するにあたりもっとも多かったご質問が、「羊の森」のネーミングについてです。ブログ最初の記事は、屋号の由来についてお話ししたいと思います。

由来といっても大層なものではないのです。苗字からなんとなく「森」を使いたいと思っていたのですが、「なんの森にしよう?」と時々考えてはみるもののよい案が浮かばないままに日々は過ぎていきました。しかしいよいよ決めなければ、という時が近づいてきて、苦し紛れにリビングに何かないか見まわしたところ、

『羊と鋼の森』

という文字列が目に入ってきたのです。

『羊と鋼の森』は2015年に刊行された宮下奈都さんによる小説で「本屋大賞」受賞作です。2018年には山﨑賢人さんの主演で映画化もされました。

北海道の木のぬくもりや湿った森のもつ空気、羊の毛のあたたかさ、ピアノの弦が振動するときコンディションによってかすかに響きの差が生まれることを感知するミクロな感受性のさま、それらが気づけば読み手にもひらかれていく。才をめぐる物語ではありますが、単なる天才の成長譚にとどまらない陰影と密度をもった、美しい小説であると思っています。

眠れないときには羊を数えるといいと言われているのは周知のとおりです(それで実際に眠れたという方にお会いしたことはないのですが、英語ならば安息になっていくのかもしれません)。羊は眠れない人に寄り添うイメージがあります。メンタルの不調の出方で最も多いのは不眠です。眠れぬ夜を過ごす人の傍らにいる羊のように、つらい一時に心の中で隣にいる存在でありたいとも願っています。

クリスチャンではありませんが、わたしを含めたみなが「迷える羊」とするならば、羊が集う場所にしたいというイメージもあったように思います。

こういった連想が、小説のもつ静かで湿り気のあるあたたかな空気感とともに結びついて、「羊の森」が直観的にしっくりときたのです。

ただ、これを口頭で説明するとなると冗長になってしまうので、どうしたものかと思っています。実はわたしの星座が「おひつじ座」というのもあります。それを最初に挙げるのがわかりやすいかもしれませんね。

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